フィン・ユール2015年08月01日

Diplomat chair /Finn Juhl/France & Søn 
写真は「フィン・ユール」デザインのディプロマットチェアと言われるもので制作会社のロゴから1964年から66年の間に制作されたものと思われます。すでに50年間使われているわけです。

フィン・ユールは1940年から60年代にかけて活躍した建築家・家具デザイナーで特に椅子のデザインは現代においても最高峰にあります。

数年前、私はこれを手に入れたのですが、制作会社のロゴが正面に入ってる一見変なものでした。ヨーロッパから輸入して組み立て直したが、どうしてもロゴが正面に出てしまうと言うのです。製造時にすでにそうだったのだろうとのコメントで、私は、いくら何でもそんなことはないだろうと、そんなこともあり市場価格の1/4程の値段で手に入れました。

一度全部分解して(フレームはジョイント金物ー引き寄せ金物で接合されている・・・手に入れるまで知りませんでした。)組み立て直したところ正常にロゴが裏面になりました。なんと言うことはなかったのです。

フレームのあちこちにある傷を蒸気で修理したり桐油を塗ったりと時間を掛けて磨いてあげました。張地は交換されたのでしょうが、どんなふうに使われて居たのでしょう・・・。これから先、私の先にも誰かが使い続けるのでしょう・・・。

エコとか所謂コストについてもう少し時間を引き延ばして考える必要があるのかも知れません。

と、あれ・これも良かったのですが、私の足の長さ(特に膝から下の長さ)が時代なりの長さだったことには思い知らされました。もう5cm長かったら完璧にこの椅子を使いこなせたはずなのです。

NYC2015年08月04日

これも、「しゃれてるぅー」と言えるのかなぁ?・・・・。

今となっては何を思って撮ったのか思い出すことも出来ないのですが、1974年当時のNYマンハッタンでの一コマです。サインの色とゴミ袋の色が同系色、ほぼ同じ色が「しゃれてるぅー」と思ったのかどうか?

最近まで、この辺りも隣県群馬の空っ風と同じく冬の西風対策で樫の木の垣根が多く見られました。私が子供の頃その垣根は、夏休み前に植木屋さんによって毎年綺麗に手入れされていました。少し透けるほどに切り落とされ手入れされた垣根は通りすぎる夏の風とその風景が夏休みそのもののでした。

今、私たちか感じ目に入る風景は、それまで経験したいろいろな風景を重ね、それらを感じながら見ているのだと思います。

My Song2015年08月05日

風景夏より「夏野」/紙屋清貴
8月の暑い時期になると「笹まくら/丸谷才一」をなぜか思い出します。

20代の頃、一度読んだだけなので内容のほとんどは思い出せないのです。それでもなぜか、教えや法を守ろうとする誠実さが世論を作り戦争を作り出すのだろうと、8月=笹まくら=世間=戦争を堂々巡りさせながら思い出しています。

My Song/キースジャレット、もしかすると一番好きな楽曲かも知れません。NHKホールだったか? 長い即興演奏ですっかり疲れ果ててしまった頭にこのメロデーが聞こえてきたときのなんと心地よかったことか・・・・。

大野隆司 外套詩集 12015年08月06日

外套詩集.1表紙/大野隆司
1998年発行「外套詩集 第1号」のあとがきに大野隆司は次のように書いています。

               あとがき
版画には詩がよく似合う。あたかも富士と月見草のように。私は詩人ではないが版画家である。半バカでもある。しかし、版画家の詩は、詩になっていない。このことは戦前の版画同人誌が証明している。だから私にも(詩になっていない)詩が書けるというわけだ。

そんなわけで、詩の紹介は止めておくことにします。

なんだか、こんなふうに何かを始めるのも良いかもしれません。

飼い主に似てくる 犬2015年08月08日

いよいよやることが無くなると(?)猛烈にアピールします。








犬も飼い主も似たような一日を過ごしています・・・休日。

ROE2015年08月10日

風景・夏より没船(小笠原父島境浦/紙屋清貴
昨日は、家族を駅へ迎えに行った帰り、路上に大破した車に遭遇しました。道路の中央と路肩にもう1台、1台はフロントもう1台は車両側面が大きく削られていました。

まだ、警察も消防も到着していない様子から事故直後の様です。

ここは主要道路で一日中交通量も多いところです。道路は緩い坂があり、やはり少しカーブがあります。道路を挟んでパチンコ店とコンビニが向かい合っています。

事故の直接の原因は分かりません。

私もこのすぐ近くの車屋さんへは出かけるのですが、ここの道路へ出るときには結構緊張します。道路の植栽がカーブと相まって車の動きが見づらいのです。

地方道路での道路への植栽・・・真剣に考える行政はほぼゼロだと思っているのですが、いかがでしょうか? 金の無駄遣いなら、それも有り(?)かと思うのですが、命がかかっているのですから笑えません。

ROE・・・経済指標の一つですが、最近見聞きするようになりました。ROE/自己資本利益率、株主資本を使っていかに収益を上げたか→いかに効率よく稼げたか・・・。

勢い無駄をすることが生きやすいと思っていた私世代も、さすがに少しは考えなくてはならない時代に来たと言うことでしょうか・・・少々おそいかも知れませんが。

ツクツクボウシ2015年08月18日

朝には抜け殻になっていました
玄関前で蝉の羽化に出会いました。
おそらく「ツクツクボウシ」だろうと思います。
たまには遅くに帰宅するのも良い出会いがあります。

今年、何十個と庭木の葉裏や小枝に蝉の抜け殻を見付けることが出来ます。今のところアブラゼミがほとんどですが、ツクツクボウシもこれから増えてくるのかも知れません。

近年、盆を過ぎてもなかなか暑い夏が終わりません。ツクツクボウシの鳴き声を聞くと・・・ワーシンツクツク、、タカイヨータカイヨー・・・と鳴く「タカイヨー」が何となく秋の空を連想して、夏の終わりを自覚するものです。

蝉の抜け殻は本当にたくさん見つけられるのですが、鳴き声があまり聞こえないのが不思議です。嘗て、ニィニィゼミ、ミィミィゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシは夏の間を少しずつ分け合って鳴いていたと思っていたのですが・・・今は少し違ってきたようです。

ダイニングチェアー2015年08月22日

Uidum /Johannes Anderson
ダイニングテーブル・チェアー、リビングソファー、新しい家になると新しい家具・・・買いそろえる人は多いですね。若い家庭も古くからの家庭も変わりなく家の新築と同時に新しい家具をそろえます。新築と同時ですから1~2ヶ月の内にそれを決められているようです。

私の所は、ダイニングとリビング、玄関 (区切りがなく繋がっています)に椅子が17脚あります。広い家ではないので椅子の方が目立つほどです。そのほか3人掛けのソファーがあります。当初、嫁のダイニングチェアー2脚から増え始め30年で今の数になりました。少し前までもう少し多かったのですが、子供たちが自分の所へ持って行って、今は少し少なくなりました。座面の張り替え、犬にかじられた脚の修理やらをして今に繋がっています。

写真は我が家で一番座り心地の良い椅子です。Uldum Mobelfabrick製造のもので1960年代のものです。座面の革にひび割れが見られたのですが馬油をすり込んでなじませたらあまり目立たなくなりました。フレームのローズウッドも傷だらけだったのですが、まぁまぁ見られる程度に回復しています。座り心地は本当に良いですね。

フィンユールデザインの椅子も最近では日本の工房で製作されていると聞きます。日本の家具製造技術は世界トップクラスなんでしょうね。そんな製造技術を持つ日本では、みなさんそのとき限りの使い勝手で家具選びをしているのでしょうね? 本当にもったいないですね・・・お金もそうですが、見る目やそれを使うであろう時間の蓄積がもったいない気がします。

市街化調整区域2015年08月24日

のどかな草原/大野隆司
栃木県内のおおよそ2/3の地域が都市計画法により都市計画区域の指定がされ、その都市計画区域内の1/2位が市街化区域と市街化調整区域に線引きされた区域になっています。

最近、ある行政担当者の発言には驚きました。「市街化調整区域は建築を抑制する地域」だというのです。えぇ・・、ほんとかよと思い、それは違うだろうと反論しました。

都市計画法により市街化調整区域は「市街化を抑制すべき地域とする」とあります。建築を抑制すべきとはどこにもありません。こんな事をしたら、たちまち地域社会は崩壊してしまいます。

一般に、市街化調整区域における建築行為は都市計画法による手続きを要し、許可を必要とします。ただし、農林水産関係の建物およ同従事者の住居は許可を要しないと都市計画法に明示されています。

それでは、農林水産関係以外の建物や住居はと言うと、若干曖昧ながら都市計画法および都市計画法施行令に、「開発許可を受けた土地以外における建築等の制限(法)」 「開発の許可を要しない通常の管理行為、軽易な行為その他の行為(施行令)」としてあります。

都市計画区域指定以前からの建物については都市計画法による許可を要しないと言っているのです。ただし、法律用語がその解釈を曖昧にします。

建築を抑制すると言う立場で法を解釈すれば、建築を抑制させるためには次々と課題を押しつけ、将来の可能性まで説明させ挙げ句、具体的な担保を要求することになります。住宅の建て替えや増築についてこうなのですから、この行政は本当に建築を抑制するつもりで居るんだと思えてきます。

ところが、同じ行政が市街化調整区域の規制緩和を次の理由で行っています。規制緩和の目的・・「既存集落の地域のコミュニティの維持と活性化を図ります」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
写真は「のどかな草原/大野隆司・1971制作」です。制作過程について作者本人が次のように解説しています。

           作品について
この牛の図は、初め大地の色を黄緑色にして摺りました。それは、一面広大な草原のように見え、牛はのどかに横になり笑っているようでした。しかし、これでは単にボーッとしている牛にしか見えません。それもいいのですが、私にはもの足りなく感じました。そこで、草原も荒れ地にし、草を丸刀で彫り進み、まだらにしてみました。私の意図するところは、かわいらしく楽しい作品の中にも、多少の力強さと希望とを入れたいと、今はそう考えているのです。
このようにして牛の図が出来上がりました。たかが人生です。されど---。大地の表現を変えたときから、牛はボーッとしているのではなく立ち上がろうとしているようになりました。
                             大野隆司

「汎画」個人展覧会2015年08月25日

谷中安規個人展覧会/大野隆司
大野隆司、紙屋清貴など「汎画」に関連する作品が多少なりと集まった頃、展覧会を私の自宅でやりたいと作家に話したところ、「ぜひ ! 」と承諾いただいたのですが・・・もっぱら、経済的理由で現在まで実現していません。

大野隆司にとって「谷中安規」は創作の原点なのでしょう。個人で展覧会まで開いてしまいます。

ここ数日、世界の経済は大波乱です。振り返ると、争いの原因のほとんどは経済だったと言うことなのかも知れません。日常に気取らない美しさを(美だけとは限りませんが)、たまには見つめて経済を忘れてみたいと思います。