街の色22016年03月13日


30数年前に設計し竣工した建物です。今で言うところのカフェでした。
現在は美容室として使われているようです。

通りから少し奥まった小高い場所に位置することから、遠目にも目に付く建物を想像しながら設計を進めました。まぁ、実際は小さい建物で、かたちで目立つことはないだろうと思い、色をどうするか悩んだことを思い出します。

緑を背景にした青、土色や街の灰色の中にある青、想像は膨らむのですが現実のペイントの青はなかなか建物に当てはまりません。

水彩絵の具でいろいろな色を作っては太陽の光の下で試してみます。

鮮やかな青色を想像しながら進めていたのですが、これが、だんだんと品のない色の方向へ進んで行くのです。

サックスブルーと言われる少しくすんだ青から色の濃淡を試して、現場の色としました。

現在は、青とは全く違う色の建物になっていますが、これも時間を積み重ねた街の色そのものなのでしょう。

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